結論から言うと、ジョージア移住・起業ビザは2026年時点で東欧・コーカサス地域のなかでも手続きがシンプルで、税制上の優遇幅が大きい選択肢の一つです。AFP・宅地建物取引士として東京で法人を経営する私、Christopherが35歳での移住を目標に調べた6つの要点を、数字と制度名を交えながら実体験ベースで解説します。
ジョージア起業ビザの基礎知識と滞在許可の仕組み
そもそもジョージアに「起業ビザ」はあるのか
ジョージアには日本のような「スタートアップビザ」という名称の制度が独立して存在するわけではありません。多くの移住希望者が「起業ビザ」と呼んでいるのは、ジョージア法人を設立したうえで取得する「滞在許可(Residence Permit)」のことです。具体的には、法人のオーナーまたは取締役として会社設立を証明し、経済活動の実態を示すことで、1年以上の長期滞在許可を申請できます。
ジョージアは2022年以降、日本人を含むほとんどの国籍に対してビザなしで最大365日の滞在を認めています。そのため、「まず観光で入国し、現地で法人を設立してから滞在許可を申請する」という流れが現実的な選択肢として機能しています。ジョージア滞在許可の申請先はジョージア法務省傘下の「パブリックサービスホール」が担当機関です。
滞在許可の種類と起業家が狙うべきカテゴリ
ジョージアの滞在許可には複数の種類があります。起業・法人設立を目的とする場合は「事業活動に基づく滞在許可」が該当します。申請に際して求められる主な書類は、ジョージア法務省へのLLC(合同会社)登記証明、現地の銀行口座残高証明、事業計画書、そして賃貸契約書などの現地住所証明です。
審査期間は申請後おおむね30日以内とされており、初回許可は1〜3年の範囲で付与されます。更新も可能で、継続的に事業実態を証明できれば長期的な在住ステータスを維持できます。日本の永住権取得と比較した場合、手続きの煩雑さは格段に低く、これがジョージア移住を検討するきっかけになる方が多い理由の一つです。
私がジョージア移住を本気で調べた経緯と6つの取得要件
東京の法人経営者として「出口戦略」を探していた
私がジョージア移住・起業ビザを本格的に調べ始めたのは、東京の自社法人の決算対応がひと段落した2024年末のことです。私はフィリピンとハワイに実物不動産を保有しており、海外資産の管理コストと日本の法人税・所得税の二重負担について、かねてから顧問税理士と議論を重ねていました。
AFP(日本FP協会認定)の資格を持つ私の立場で言えば、「節税」という言葉は慎重に使います。税務上の最終判断は税理士に委ねるべきであり、私自身が節税スキームを設計する立場にはありません。ただ、キャッシュフロー設計や資産配置の観点から「ジョージアの税制は見逃せない」という事実を、FP視点で読み解くことはできます。顧問税理士との打ち合わせのなかで「ジョージアの小規模事業者制度について調べてきてほしい」と逆提案されたことが、調査の直接的なきっかけでした。
私が整理した6つの取得要件チェックリスト
調査の結果、ジョージア起業ビザ(事業活動に基づく滞在許可)の取得にあたって確認すべき要件を、私は以下の6点に整理しました。
- ①ジョージア国内でのLLC(有限責任会社)またはIE(個人事業主)の登記完了
- ②現地銀行口座の開設と一定残高の維持(目安は1,000〜3,000ラリ程度)
- ③現地の住所証明(賃貸契約書または不動産登記)
- ④事業計画書または売上実績の提示(継続的経済活動の証明)
- ⑤有効なパスポート(申請日から6ヶ月以上の残存期間)
- ⑥パブリックサービスホールへの申請書類一式の提出と手数料納付
手数料については、審査スピードによって異なります。通常審査(30日)で200ラリ前後、速達審査(10日)で400ラリ前後が目安とされています(2025年時点の情報。変動する可能性があるため、最新情報はジョージア法務省の公式サイトで確認してください)。
小規模事業者税制1%の実態とジョージア税制の全体像
「1%課税」はどんな人に適用されるのか
ジョージア税制のなかで移住希望者の関心を集めているのが、小規模事業者(Small Business Status)に適用される売上課税1%制度です。この制度は、年間売上が500,000ラリ(2025年レート換算でおよそ2,500〜2,800万円)を超えない個人事業主が対象となります。
売上に対して1%が課税される仕組みで、所得税・法人税に相当する負担が大幅に軽減される点が特徴です。ただし適用にはジョージア税務当局への申請と承認が必要であり、すべての業種が対象になるわけではありません。金融サービス・コンサルティング業などは適用除外となる場合があります。個別の業種判定は、ジョージア税法(Tax Code of Georgia)の条文と、現地税理士または税務専門家への確認が不可欠です。税務上の最終判断は必ず専門家に委ねてください。
バーチャルゾーン制度とIT企業向け免税の可能性
ジョージアにはもう一つ、IT業種向けの優遇として「バーチャルゾーン(Virtual Zone)」制度があります。ジョージア国外のクライアントに対してITサービスを提供する法人が認定を受けると、法人税(通常15%)が免除される仕組みです。2024〜2025年にかけて、フリーランスのエンジニアやデジタルノマドがジョージアに法人を設立する動きが増えているのは、この制度の存在が大きな理由の一つです。
バーチャルゾーン認定の申請はジョージア財務省傘下の税務当局(Revenue Service)が担当しています。認定後はジョージア国内売上には通常課税が適用されるため、事業構造の設計段階から現地の税務専門家と連携することを強くおすすめします。マルタ移住永住権実体験|35歳目標で調べた5つの取得条件
現地法人設立の手順とジョージア生活コスト月15万円の内訳
LLC設立は最短1日、費用は1万円台から
ジョージアでの法人設立はシンプルです。ジョージア法務省の「National Agency of Public Registry(NAPR)」に申請し、LLCを登記します。パブリックサービスホールに出向いて申請すれば、最短で当日または翌営業日に登記証明書を取得できるケースがあります。
費用は通常登記で100ラリ前後(約500〜600円相当)、速達で200ラリ前後です。資本金の最低要件は設定されておらず、1ラリ(約5円)の資本金でも登記上は問題ありません。ただし、銀行口座開設や滞在許可申請においては、事業の実態を示せる資本規模であることが実務上望ましいとされています。日本語対応の現地サポート業者も複数存在し、サポート費用込みで5〜15万円程度が相場観として語られています。
月15万円で暮らせるジョージア・トビリシの生活コスト内訳
私が現地在住者や移住経験者のヒアリングと公開データをもとに試算した、トビリシでの一人暮らし月額コストは以下の通りです。
- 家賃(市内1LDK相当):600〜900ラリ(約3〜4.5万円)
- 食費(自炊中心):300〜500ラリ(約1.5〜2.5万円)
- 交通費(タクシー・バス含む):100〜200ラリ(約5,000〜1万円)
- 光熱費・通信費:150〜250ラリ(約7,500〜1.2万円)
- 外食・娯楽・雑費:200〜400ラリ(約1〜2万円)
合計すると月1,350〜2,250ラリ、日本円換算でおよそ7〜11万円が生活費の目安です。ここに法人維持費や会計費用、日本との往来コストを加えると、月15万円程度の予算感が現実的な水準と判断しています。東京の生活費と比較すると、同等の生活水準をおよそ半分のコストで維持できる試算となります。
移住前に検討すべき注意点とまとめ
見落としがちな6つのリスクと対策
- ①日本の税務居住者判定:日本に生活の本拠が残っていると、ジョージアで事業収益を上げても日本の所得税・住民税の課税対象となる可能性があります。出国前に税理士へ相談し、非居住者認定の要件を確認してください。
- ②社会保険の空白リスク:ジョージアには国民皆保険制度が存在するものの、日本の健康保険・厚生年金とは切り離された仕組みです。海外療養費制度の適用範囲も含めて、移住前に確認が必要です。
- ③為替リスク:生活費はラリ建てでも、日本の法人・資産の管理は円建てです。円安・円高の影響を受けるため、FP的な資産配置の設計が重要になります。
- ④銀行口座開設の難化:2023〜2024年にかけて、ジョージアの一部銀行では外国人の口座開設審査が厳格化されています。現地サポート業者の活用が現実的な対策です。
- ⑤ジョージア税制の改正リスク:1%小規模事業者制度やバーチャルゾーン制度は今後の法改正により変更される可能性があります。制度の継続性についてはジョージアの税務当局情報を定期的に確認してください。
- ⑥日本法人との兼業時の税務処理:私のように日本に法人を残したままジョージアで活動する場合、二国間の利益配分・移転価格の問題が生じる可能性があります。これは国際税務の専門家への相談が不可欠な領域です。個別の事情により判断が大きく異なりますので、最終的な税務判断は必ず税理士・専門家へご確認ください。
35歳移住目標の私が次に踏む具体的なステップ
ジョージア移住・起業ビザを本気で考えるなら、情報収集と並行して「行動の順序」を決めることが重要です。私自身が2026年を一つの節目として考えているステップは、日本の顧問税理士との非居住者判定の事前協議、現地視察(最低1週間のトビリシ滞在)、ジョージアでの銀行口座開設の打診、そしてLLC登記の実行という流れです。
ジョージア法人設立・起業ビザ取得のサポートサービスを活用すれば、書類準備から申請手続きまでの工数を大幅に削減できます。私も現在、複数のサポート会社の内容と費用体系を比較検討している段階です。手数料や対応範囲は各社で異なるため、複数社に問い合わせて比較することをおすすめします。下記リンクから詳細を確認のうえ、自身の状況に合うかどうかを判断してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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