ポルトガル移住とは何か、具体的に調べ始めたのは私が33歳の頃です。AFP・宅地建物取引士として東京都内で法人を経営しながら、フィリピンとハワイに実物不動産を保有する私にとって、次のヨーロッパ移住先としてポルトガルは早い段階から有力な候補でした。この記事では、35歳での移住実現を目標に私が調査・整理した7つの基礎要点をお伝えします。
ポルトガル移住とは何か——基礎から整理する
なぜポルトガルがヨーロッパ移住先として注目されるのか
ポルトガルは西ヨーロッパに位置し、EU加盟国でありながら生活費がパリやロンドンと比べて大幅に低い水準にあります。首都リスボンでも、日本円換算で月20〜25万円程度の生活費で一定の生活水準を維持できるという現地在住者のデータが複数報告されています。
加えて、英語が比較的通じやすく、治安も良好で温暖な気候が続くことから、日本人移住者やリモートワーカーの間でヨーロッパ移住先として広く選ばれています。2020年代に入ってからノマドビザや各種居住ビザが整備されたことも、移住希望者の裾野を広げた要因です。
私自身、海外金融機関での営業経験を通じて富裕層や経営者の移住相談に数多く接してきましたが、ポルトガルを候補に挙げるクライアントは2022年以降で明らかに増加しています。ヨーロッパ移住の入口として、まず検討する価値がある国だと判断しています。
移住の定義——観光・長期滞在・永住権の違い
「ポルトガル移住とは何か」を議論する前提として、「移住」の定義を明確にすることが重要です。観光ビザで90日以内滞在するケース、D7ビザなどで5年以上居住して永住権を取得するケース、ゴールデンビザで投資家として居留許可を得るケースでは、必要な準備がまったく異なります。
移住計画を立てる際は、最終的に永住権・国籍取得まで視野に入れるのか、あるいは数年の居住を経て別の国に移るのかを最初に整理すべきです。この「出口設計」を曖昧にしたまま動き出すと、ビザの選択や資産配置の戦略に一貫性が生まれません。私が海外不動産の購入を検討する際も、出口設計を先に決めてから物件選びに入るのと同じ考え方です。
私がポルトガル移住を調査した実体験
海外金融機関での経験がポルトガル調査の起点になった
私がポルトガルを真剣に調べ始めたきっかけは、海外金融機関での営業経験にあります。当時、移住を検討している経営者や富裕層のクライアントから「ポルトガルのNHR税制を使いたい」「D7ビザで資産生活を送りたい」という相談を複数受けていました。相談に応じるために制度を深く調べたことが、そのまま自分自身の移住計画の調査につながっています。
実際にポルトガルの現地不動産情報を確認しにリスボン近郊を視察した際、予想以上に日本人向けのサポート体制が整っていることに驚きました。日系の不動産エージェントが複数存在し、日本語でのビザ申請サポートも提供されていました。ただし、エージェントによって得意分野や対応の質に差があるため、複数社を比較することを強くお勧めします。
現地視察で気づいた「生活費の現実」と情報の乖離
ネット上の情報では「月15万円でゆとりある生活」と書かれている記事も見かけますが、実際にリスボン中心部を歩いてみると、2023年以降は賃料が大幅に上昇しており、ワンルーム相当の物件でも月額1,200〜1,500ユーロ(日本円で約19〜24万円)という相場になっていました。
食費・交通費・通信費などを合算すると、リスボン中心部での単身生活は月25〜30万円程度を見込んでおく方が現実的です。一方、ポルト近郊やアレンテージョ地方など地方都市に移れば、月18〜22万円程度に抑えることも十分可能です。ポルトガル生活費の情報を収集する際は、記事の公開年と対象エリアを必ず確認してください。
主要ビザ3種類——D7・ゴールデンビザ・ノマドビザの違い
D7ビザ:受動的収入で生活する人向けの定番ルート
D7ビザは、年金・不動産収入・配当収入など「受動的収入(パッシブインカム)」を持つ人が申請できる居住ビザです。申請時の最低収入基準はポルトガルの最低賃金水準が参考になりますが、2024年時点では月額約760ユーロ以上の受動的収入の証明が目安とされています(個別審査のため、最新情報は在日ポルトガル大使館または専門家に確認してください)。
D7ビザは取得後2年ごとに更新し、5年間の継続居住を経ることで永住権の申請資格が生まれます。さらに10年居住でポルトガル国籍の取得も視野に入ります。投資額が不要で収入証明のみで申請できる点が、資産運用で生活する人やリタイア層に支持されている理由です。
ゴールデンビザ:投資家向けの居留許可とその現状
ポルトガル ゴールデンビザは、一定額以上の投資を条件に居留許可を付与する制度です。かつては不動産投資が主流でしたが、2023年の制度改正により不動産投資ルートは廃止され、現在は投資ファンドへの出資(最低50万ユーロ)や事業投資・雇用創出などが主な申請要件となっています。
ゴールデンビザの大きな特長は、ポルトガルへの物理的な滞在日数が年間7日間以上と少なくて済む点です。EU内の移動の自由(シェンゲン協定加盟国への渡航)も享受できるため、日本とポルトガルを行き来しながら経営を続けたい経営者層に選ばれています。私自身も法人経営を継続しながら移住する前提でこの制度を比較検討しました。ポルトガル移住比較実体験|35歳目標で調べた7つの判断軸
NHR税制と税務の要点
NHR(非常居住者税制)の概要と2024年以降の変更点
NHR(Non-Habitual Resident)税制は、ポルトガルに初めて税務居住者となる人を対象に、10年間にわたって優遇税率を適用する制度です。外国源泉の年金・配当・利子・ロイヤルティなどが一定条件のもとで免税または低率課税となる仕組みで、日本の富裕層や投資家からも注目を集めてきました。
ただし、2024年以降はNHR制度が改正され、新たに「NHR 2.0(IFICI制度)」へと移行しています。旧NHRに比べて適用要件が変化しており、研究者・教育者・高付加価値職種などへの絞り込みが進んでいます。NHR税制の活用を検討する場合は、必ず最新制度をポルトガルの税務専門家および日本の税理士と連携して確認することを強くお勧めします。個別の税務判断は専門家への相談が前提であり、私の立場から特定の税務スキームを提案することはしていません。
日本の税務との二重課税リスクと専門家連携の必要性
ポルトガルに移住した場合でも、日本国内に住民登録が残っている・国内に生活の本拠があるとみなされる・日本法人から役員報酬を受け取っているなどの事情によっては、日本での課税関係が継続するリスクがあります。日本とポルトガルは租税条約を締結していますが、実際の適用関係は個人の状況によって異なります。
私自身、東京都内で法人を経営しているため、海外移住と法人の関係については日本の税理士と綿密にすり合わせを行っています。「移住したら日本の税金がなくなる」という単純な理解は危険であり、出発前に日本側の税理士と出口戦略を整理しておくことが不可欠です。確定申告・課税関係の最終判断は、必ず税理士または所轄税務署へご確認ください。ポルトガル移住ビザ取得実体験|35歳目標で調べたD7申請6つの要点
まとめ——ポルトガル移住とは何かを7つの要点で振り返る
35歳移住計画に向けて整理した7つの基礎要点
- ポルトガル移住とは、EU域内の居住権と低コストな生活基盤を同時に得られるヨーロッパ移住の有力な選択肢である
- ビザは目的別に選ぶ——受動的収入があればD7ビザ、投資家ならゴールデンビザ、リモートワーカーならノマドビザが選択肢になる
- ポルトガル生活費はリスボン中心部で月25〜30万円、地方都市なら月18〜22万円が現実的な目安(2024年以降の賃料上昇を反映)
- NHR税制(現IFICI制度)は2024年以降に改正されており、旧制度の情報をそのまま信じるのは危険
- 日本法人を持ちながら移住する場合、日本側の税務リスクは残るため、日本の税理士との連携は必須
- ゴールデンビザは2023年制度改正で不動産ルートが廃止され、ファンド投資・事業投資が主流になっている
- 移住計画は「出口設計(永住権取得か数年滞在か)」を先に決め、そこからビザ・資産配置・税務を逆算する順序で進めるべきである
次のステップ——情報収集から専門家相談へ
ポルトガル移住の基礎情報を整理したあとに取るべきステップは、現地のビザ申請専門家・移住エージェント・そして日本の税理士の3者を早期に選定することです。私が法人設立時に税理士の顧問契約を締結した経験から言うと、「動き始めてから探す」では手遅れになるケースが多い。移住の場合も同じで、計画段階から専門家を決めておくことで、制度変更や書類不備によるタイムロスを最小化できます。
海外移住・ビザ申請のサポートサービスには、無料相談窓口を設けているエージェントも増えています。まずは情報収集の段階から積極的に活用し、自分の状況に合ったルートを絞り込んでいくことをお勧めします。個別の事情により最適なビザや税務処理は異なりますので、最終的な判断は必ず専門家へご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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