EB-5流れ実体験|35歳移住で調べた7段階申請プロセス

EB-5の流れを正確に把握しないまま投資を進めると、数百万円規模の損失と数年単位の時間を失うリスクがあります。私はAFP・宅地建物取引士として海外不動産投資の実務に関わる中で、アメリカ投資移住を検討する方々から相談を受けてきました。本記事では、I-526申請からグリーンカード確定のI-829まで、7段階の申請プロセスを実体験ベースで整理します。

EB-5流れの全体像|7段階で把握する申請プロセス

なぜEB-5は「7段階」に分けて考えるべきか

EB-5ビザのプロセスは、入口から出口まで複数の省庁・機関が関与します。移民局(USCIS)だけでなく、国務省(DOS)や商務省が認定する地域センター(Regional Center)も絡むため、一本線で「申請して終わり」とはなりません。

私が整理した7段階は次のとおりです。①投資先プロジェクトの選定、②資金の適法性証明(Source of Funds)の準備、③I-526申請、④移民ビザ申請または身分調整、⑤条件付永住権の取得、⑥I-829申請、⑦永住権の確定です。この7段階を一つ一つ把握することで、どのタイミングで弁護士・税理士に依頼すべきかが明確になります。

特に②の「資金の適法性証明」は、日本人投資家が最も苦労するステップです。銀行の入出金履歴、不動産売却益の証明、贈与税の申告書など、資金の出所を根拠書類で立証する必要があります。ここを曖昧にしたまま進むと、後段のI-526審査で否認リスクが高まります。

EB-5ビザ申請における在米・在外の2ルートの違い

EB-5の流れには「アメリカ国内で身分調整(I-485)するルート」と「海外から移民ビザ(DS-260)を申請するルート」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、申請期間中のアメリカ滞在可否が大きく変わります。

国内調整ルートは、すでに合法的にアメリカに滞在している方が選ぶケースが多く、申請中も就労許可(EAD)や渡航許可(Advance Parole)を取得しながら米国内に留まれる点がメリットです。一方、日本在住者は海外申請ルートとなり、ビザ番号が割り当てられるまで米国に移住できません。

中国・インド国籍者と比べ、日本国籍者のビザ優先日待機は現時点では比較的短い傾向にありますが、状況は年ごとに変動します。移民弁護士に最新のビザ割り当て状況(Visa Bulletin)を確認しながら進めることを強くお勧めします。

私がEB-5プロジェクト選定で実際に確認した4つのポイント

フィリピン・ハワイの不動産実務経験から見た地域センター審査の視点

私は現在、フィリピンとハワイに実物不動産を保有しています。ハワイの物件取得時、現地の開発案件に関する資料を多数読み込む機会がありました。その経験からEB-5の地域センタープロジェクトを見た時、最初に確認すべき点は「プロジェクトの完成リスク」と「雇用創出の根拠」の2点だと感じました。

EB-5では、投資先プロジェクトが10名以上のアメリカ人雇用を創出することが永住権取得の条件です。地域センター経由の場合、直接雇用だけでなく間接・誘発雇用もカウントできますが、その計算根拠(経済モデル)が客観的か否かを独立した立場で精査する必要があります。

私が相談者から受け取ったプロジェクト資料を見ると、雇用数の計算に使われているRIMSIIやIMPLANといった経済モデルの前提条件が甘いケースがありました。雇用数の水増しはI-829否認の直接的な原因になります。宅建士として不動産開発の事業計画書を読み慣れている立場からも、「数字の根拠が薄い案件には近づかない」という原則は変わりません。

投資金額の基準と資金調達スキームの落とし穴

2022年のEB-5改革法(EB-5 Reform and Integrity Act)施行以降、標準投資額は105万ドル、ターゲット雇用地域(TEA)内は80万ドルとなっています。TEAとはUSCISが指定する高失業率地域または地方農村部のことで、多くの地域センタープロジェクトはTEA認定を取得しています。

注意すべきは「ローン調達した資金のEB-5利用可否」です。投資家自身が第三者から借り入れた資金をEB-5投資に充てることは原則として認められていますが、その借入に対して担保が投資資産そのものになっている場合はリスクが生じます。資金調達の構造は移民弁護士と税理士の両方に確認することが不可欠です。個別の税務上の取り扱いは事情により異なるため、必ず税理士に相談してください。

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I-526申請から条件付永住権取得までの実務ポイント

I-526申請書類の準備で最も時間がかかるステップ

I-526(Immigrant Petition by Alien Investor)は、投資家がUSCISに対して「私はEB-5の要件を満たす投資を行った」と申告するための請願書です。2023年以降はI-526Eという新様式に移行しており、地域センタープロジェクト経由の場合はこちらを使います。

申請書類の準備において最も時間を要するのは、前述の「資金の適法性証明」パッケージです。具体的には、過去5年分の確定申告書・銀行口座の入出金明細・不動産の売買契約書・登記簿・贈与税申告書などが必要で、日本語書類はすべて公証翻訳が必要です。翻訳費用だけで数十万円になるケースもあります。

私が把握している範囲では、I-526の審査期間は案件によって18ヶ月〜36ヶ月以上かかることがあります。地域センタープロジェクトへの投資は承認前でも実行するケースが多く、その間の資金リスクも認識しておく必要があります。

条件付永住権取得後の2年間に絶対やっておくべきこと

I-526が承認され、移民ビザ発給または身分調整が完了すると、まず「条件付永住権(CR-1相当)」が付与されます。この条件付永住権の有効期間は2年間で、その2年間のうちに投資が継続されていること・雇用が創出されていることをI-829で証明しなければなりません。

この2年間に投資家がやるべきことは、プロジェクトの進捗レポートを定期的に受け取り保管しておくことです。地域センターからの年次報告書(Annual Report)・プロジェクトの財務諸表・雇用記録などは、I-829申請時の証拠書類になります。資料の保管を怠ると、後から揃えることが困難になります。

また、条件付永住権保持者としてアメリカに一定期間居住することが求められます。長期間アメリカを離れると永住権が失効するリスクがあるため、国際弁護士への相談を継続することが重要です。

I-829申請と費用相場|グリーンカード確定までの現実

I-829申請の要件と否認されないための準備

条件付永住権の期限終了の90日前から、I-829(Petition by Investor to Remove Conditions)を申請できます。この申請では、①80万ドル(またはそれ以上)の投資が維持されていること、②10名以上の雇用が創出されたことを証明します。

否認事例の傾向を見ると、「雇用数が証明できなかった」「プロジェクトが頓挫して投資資金が回収不能になった」というケースが目立ちます。地域センタープロジェクトが途中で失敗した場合、投資家は永住権を得られないだけでなく、投資資金も失うリスクがあります。これはEB-5が「投資」である以上、避けられないリスクです。

I-829の審査期間も長く、2〜4年かかるケースが報告されています。申請中はI-829承認待ちの状態でも合法的に米国に滞在・就労できる扱いになりますが、永住権カード(グリーンカード)が手元にない状態でのパスポート更新・国際渡航には注意が必要です。カナダ移住比較実体験|35歳目標で調べた7つの判断軸と費用差

EB-5の総費用と内訳の目安

EB-5にかかる費用は、投資元本以外にも複数の項目があります。AFP・宅建士として資金計画の観点から整理すると、主要な費用は以下のとおりです。

  • 投資元本:80万ドル(TEA適用の地域センタープロジェクトの場合)
  • 管理費用(Administrative Fee):地域センターへの支払いで3万〜7万ドル程度が相場とされています
  • 移民弁護士費用:I-526・I-829を含めトータルで4万〜8万ドル前後が一般的な相場感です
  • 翻訳・公証費用:書類量によりますが数十万円〜100万円超になるケースもあります
  • 申請手数料(USCIS):I-526Eで3,675ドル、I-829で3,750ドル(2024年時点)
  • 日本側の税務・会計費用:海外送金・資金出所の整理で税理士への依頼費用が発生します(個別相談費用は事務所によって異なります)

投資元本を除いた諸費用だけで1,000万円〜2,000万円近くになることも珍しくありません。「元本以外のコスト」を事前に把握した上で総合的な資金計画を立てることが大切です。税務面は必ず税理士に確認してください。個別の節税効果は状況により異なります。

まとめ|EB-5の流れを押さえてアメリカ投資移住を現実的に検討する

7段階プロセスの要点整理

  • ①投資先プロジェクト選定:地域センターの信頼性・雇用創出の根拠を独立した立場で精査する
  • ②資金の適法性証明:準備に最も時間がかかるステップ。公証翻訳を含め早期着手が必須
  • ③I-526申請:審査期間は18ヶ月〜36ヶ月以上。承認前に投資実行が必要なケースが多い
  • ④移民ビザ申請または身分調整:在米か在外かでルートが異なる。Visa Bulletinの確認を継続する
  • ⑤条件付永住権取得:2年間の条件期間中はプロジェクト資料を継続保管する
  • ⑥I-829申請:条件付永住権の期限終了90日前から申請可能。審査は2〜4年が目安
  • ⑦グリーンカード確定:I-829承認により無条件永住権を取得。ここがゴール

次のステップ|まず専門家への相談から始める

EB-5の流れは複雑で、移民弁護士・税理士・FPの3者が連携することで初めて安全に進められます。私自身、フィリピン・ハワイの不動産取得時に現地の法律・税務専門家と連携する重要性を痛感しています。どれか一つの専門家だけに任せると、見落としが生まれるリスクがあります。

特に日本側の税務処理は、海外送金・贈与・相続との絡みで複雑化するため、国際税務に精通した税理士への相談を強くお勧めします。最終的な判断はご自身の状況に照らして、移民弁護士・税理士・専門家に確認してください。

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筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。東京都内で法人を経営し、フィリピン・ハワイに実物不動産を保有。海外金融機関での営業経験を持ち、海外口座開設・現地不動産購入を自ら実行。大手生命保険会社・総合保険代理店での勤務を経て、個人事業主・富裕層・経営者の資産形成・海外移住相談に多数対応。海外金融・不動産の実務経験者として、移住先選び・ビザ取得のリアルを発信しています。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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