EB-5相場実体験|35歳移住計画で調べた7つの投資費用内訳

私がEB-5の相場を本気で調べ始めたのは、35歳という年齢を意識した移住計画を立て始めた時のことです。AFP・宅地建物取引士として資金計画には慣れているつもりでしたが、アメリカ投資移住の費用構造は想像以上に複雑でした。この記事では、最低投資額80万ドルを含む7項目の費用内訳を、実際に現地情報を収集した経験をもとに具体的な数字で解説します。

EB-5相場の全体像と前提|費用は「投資額」だけではない

EB-5ビザとは何か:グリーンカード取得への投資移住ルート

EB-5は米国の雇用ベース第5優先順位ビザ(Employment-Based 5th Preference)の略称で、外国人投資家がアメリカに一定額を投資し、米国市民10名以上の雇用を創出することでグリーンカードを取得できる制度です。1990年に創設された歴史ある制度で、近年は2022年の改正(EB-5改革・誠実性法)によってルールが大幅に刷新されました。

重要なのは、EB-5の相場を語る時に「投資額=総費用」と捉えてしまう人が非常に多い点です。実際には投資額の他に、行政手数料・弁護士費用・翻訳費用・家族帯同費用などが積み重なります。私が調べた限りでは、投資額以外のコストが合計で15〜30万ドル前後になるケースも珍しくありません。

2024〜2026年時点の制度前提:TEA制度と投資先の区分

2022年の改正以降、EB-5の投資額は「農村地域(Rural Area)」「高失業地域(Targeted Employment Area=TEA)」「その他地域」の3区分で設定されています。2024年現在の基準額は農村地域・TEAで80万ドル、その他地域で105万5,000ドルです。

かつては50万ドルから投資できるTEA優遇が広く使われていましたが、改正後は農村地域への投資に特別な議会優先枠が設けられました。この制度変更は資金計画に直結するため、「昔調べた情報」をそのまま使い回すのは危険です。制度の適用条件は常に最新の移民法務専門家に確認することを推奨します。

私が実際に試算した7つの費用内訳

投資額・管理費・行政手数料の3本柱

私が35歳での移住計画を本格的に検討した時、まずスプレッドシートで費用を7項目に分けて整理しました。実際に現地の移民弁護士や複数のリージョナルセンター(Regional Center)関係者から収集した情報をもとにした数字です。

  • ①最低投資額:農村・TEA地域で80万ドル(約1億2,000万円・1ドル=150円換算)
  • ②リージョナルセンター管理費:年間2万〜5万ドル程度(プロジェクトにより異なる)
  • ③USCIS申請手数料(I-526E):約1万1,160ドル(2024年改定後の料金)
  • ④移民ビザ申請・I-485費用:申請者1名あたり1,440〜4,000ドル程度
  • ⑤移民弁護士費用:2万5,000〜6万ドル(スコープ・複雑さによる)
  • ⑥翻訳・公証費用:50万〜150万円程度
  • ⑦家族帯同費用:配偶者・子1人あたり追加で数千〜2万ドル超

投資額だけ見ると「80万ドル」という数字が一人歩きしますが、上記を合算すると最低でも85〜90万ドル超、家族を含めると100万ドル近い総費用になるケースが現実的です。私はこの試算を見て、「投資ビザ費用の相場感は想像より2割以上高い」と感じました。

弁護士費用の相場感:安易なコスト削減が招くリスク

EB-5において移民弁護士費用は、削りたい気持ちになる項目ナンバーワンです。しかし私がフィリピンやハワイで不動産購入をした経験から言うと、法務コストの削減は後から高くつくことが多いです。

EB-5の移民弁護士費用は、申請のみのシンプルなケースで2万5,000〜3万5,000ドル、家族を含む複雑なケースや投資プロジェクトの法務レビューも含めると5万〜6万ドルを超えることがあります。米国移民法は2022年改正以降も細かい運用変更が続いており、経験豊富な弁護士を選ぶことは費用削減より優先すべき判断軸です。なお、税務面での申告義務(FBARや外国口座・資産の開示)については、米国税理士(CPA)または国際税務に詳しい専門家への相談を強く推奨します。

家族帯同と資金計画の落とし穴3例

家族帯同で見落とされがちなコスト積み上がり

EB-5ビザの大きなメリットの一つは、配偶者と21歳未満の未婚の子どもを「派生受益者(Derivative Beneficiary)」として同時に申請できる点です。しかし家族を連れていく場合、追加の申請費用・健康診断費用・渡航費・現地での初期生活費が一気に膨らみます。

配偶者と子ども1名を帯同した場合、USCIS手数料と移民ビザ費用だけで追加3,000〜8,000ドル程度が発生します。これに弁護士費用の家族分(1人あたり5,000〜1万5,000ドルを加算するケースも)、健康診断(1人あたり500〜1,000ドル程度)、現地での住居確保のデポジットや引越費用を足すと、家族3人での移住では投資額以外の諸費用合計が30万ドルを超えることも想定内です。

資金計画の落とし穴3例:私が見てきた失敗パターン

AFP・宅建士として、また海外資産を保有する法人経営者として、私が複数の移住検討者と話してきた中で「あ、これは危ない」と感じた資金計画の落とし穴を3つ挙げます。

落とし穴①:為替リスクの軽視。80万ドルは1ドル=150円で1億2,000万円ですが、160円なら1億2,800万円です。資金調達から投資実行まで数ヶ月かかる場合、為替変動だけで数百万円の誤差が生じます。私は法人での外貨運用経験があるため、この感覚は肌で知っています。

落とし穴②:投資額の「返還不確実性」を甘く見る。EB-5の投資資金は条件付き永住権(CR-1)の取得後、投資期間満了まで原則拘束されます。プロジェクトによってはリターンがほぼゼロに近く、元本割れのリスクも実在します。投資ビザ費用として「消えるお金」と「戻ってくる可能性があるお金」の区別を明確にする必要があります。

落とし穴③:米国での税務申告コストの見落とし。グリーンカード取得後は米国での税務居住者となり、全世界所得への申告義務が発生します。日本での法人所得・不動産収入も申告対象になりうるため、日米両国に対応できる国際税務の専門家(CPA・税理士)費用が継続的に発生します。この年間コストが数十万〜100万円を超えるケースもあり、移住後の固定費として見落とされがちです。個別の税務判断については必ず専門家に相談することをお勧めします。カナダ移住とは実体験|35歳目標で調べた7つの基本要点

他の投資ビザとのコスト比較|EB-5を選ぶ判断軸

E-2ビザ・ゴールデンビザとEB-5の費用差

アメリカへの投資移住ルートとして、EB-5以外ではE-2ビザ(条約投資家ビザ)が広く知られています。E-2は投資額の下限が法定されておらず、ビジネス規模に応じた「実質的な投資」が求められますが、一般的には10万〜50万ドル程度の投資で申請されるケースが多いです。ただしE-2はグリーンカードに直結せず、あくまでも非移民ビザである点が根本的に異なります。

欧州のゴールデンビザ(ポルトガル・ギリシャ等)と比較すると、EB-5の80万ドルは金額水準として高い部類に入ります。一方でグリーンカード取得という永住権の確実性(審査通過を前提として)と、米国市場へのアクセス・生活インフラの充実度を考えると、単純な投資額の大小だけで比較することには限界があります。

私が35歳で出した「現時点の結論」

私自身は現在、東京都内の法人経営・フィリピンとハワイの実物不動産管理を継続しながら、複数国の移住オプションを比較検討している立場です。EB-5については、移住先としてのアメリカの生活環境・子どもの教育環境・ビジネス上の利便性は非常に魅力的だと感じています。

一方で、総費用100万ドル前後という資金規模・審査期間の長さ(国籍によっては数年〜10年以上のバックログが存在)・米国税務の複雑さという3点のコストを冷静に見ると、35歳という年齢ではプロセス全体に要する時間も重要な変数です。私の判断軸は「投資額そのものより、時間コストと機会損失を含めたトータルリターン」であり、この視点をEB-5検討者にも持ってほしいと思います。カナダ移住比較実体験|35歳目標で調べた7つの判断軸と費用差

まとめ:EB-5相場の7項目と、次の一歩の踏み出し方

費用7項目のおさらいと計画立案のポイント

  • 最低投資額:農村・TEA地域で80万ドル(その他地域は105万5,000ドル)
  • リージョナルセンター管理費:年間2万〜5万ドル程度
  • USCIS申請手数料(I-526E等):1万1,000ドル〜(申請区分により異なる)
  • 移民弁護士費用:2万5,000〜6万ドル(スコープ・家族構成で変動)
  • 翻訳・公証費用:50万〜150万円程度
  • 家族帯同の追加費用:1名あたり数千〜2万ドル超(申請費・医療診断等)
  • 移住後の税務・会計費用:年間数十万〜100万円超(個別事情による)

EB-5の相場は「80万ドルを用意すれば完結する話」ではありません。上記7項目を合算した上で、為替リスク・審査期間中の機会損失・移住後の継続コストまで資金計画に織り込む必要があります。AFP・宅建士として断言しますが、この試算を事前にしているかどうかで、移住後の財務的ストレスは大きく変わります。

移住プランの具体化には専門家への相談が出発点

EB-5は制度の複雑さ・金額規模・時間軸のどれを取っても、個人で全貌を把握するには限界があります。私自身、フィリピン・ハワイの不動産購入時には現地の法律専門家・税務専門家を必ず活用してきました。それと同じ姿勢がEB-5でも必要です。

特に税務面は米国のCPA(公認会計士)と日本の税理士の両方が必要になるケースが多く、これを自己判断で省略することはお勧めしません。費用の見通しが立ったら、まずは移住支援専門のサービスを活用して、自分のケースに合った選択肢を整理することが現実的な第一歩です。個別の税務・法務判断については必ず各専門家に確認してください。

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筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。東京都内で法人を経営し、フィリピン・ハワイに実物不動産を保有。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。海外金融機関での営業経験を活かし、海外口座開設・現地不動産購入の実務を自ら経験。現在は都内法人経営・インバウンド民泊事業を運営しながら、複数国の移住オプションを継続検討中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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