EB-5選び方実体験|35歳移住計画で見極めた7つの投資判断軸

EB-5の選び方で失敗する人には、共通点があります。投資額80万ドルを前にして「どのリージョナルセンターが良いか」という表面的な比較だけで判断してしまうことです。私はAFP・宅地建物取引士として海外金融機関での営業経験を持ち、フィリピン・ハワイで実物不動産を保有する立場から、35歳の移住計画を検討する中でEB-5ビザの投資判断軸を7つに整理しました。この記事でその全てを共有します。

EB-5選び方の7つの投資判断軸とは何か

判断軸を持たない人が陥る3つの落とし穴

アメリカ移住を検討する富裕層の方と話すとき、私が真っ先に確認するのは「EB-5に対して何を期待しているか」です。投資移住の手段としてEB-5ビザを選ぶ人の多くは、永住権取得という結果だけに目が向き、投資そのものの中身を後回しにしがちです。

具体的に落とし穴は3つあります。第一に、リージョナルセンターの知名度だけで選んでしまうこと。第二に、為替リスクと流動性リスクを軽視すること。第三に、移民弁護士への丸投げで投資審査の視点を持たないことです。

海外金融機関で営業していた時代に、私は複数の投資家ビザ案件のサポートに関わりました。そこで痛感したのは、ビザ取得後のリターンを真剣に考えている人が想像以上に少ないという現実です。EB-5は投資移住である以上、移民法と投資リスクの両面から判断しなければなりません。

7つの判断軸の全体像を把握する

私が整理した7つの判断軸は以下の通りです。この後のセクションで詳細を解説しますが、まず全体像を把握してください。

  • ① 投資額80万ドルの資金調達構造
  • ② ティアゼド地域(TEA)の指定要件
  • ③ リージョナルセンターの審査履歴
  • ④ 雇用創出10人要件の達成方法
  • ⑤ 投資回収スキームの透明性
  • ⑥ 移民弁護士との役割分担
  • ⑦ 日本の税務・資産管理との整合性

この7軸を順番に検証することで、単なる「有名なリージョナルセンターを選ぶ」という意思決定から脱却できます。投資家ビザの申請件数は近年増加傾向にあり、競争も激化しています。だからこそ、選び方の精度が結果を分けます。

私が35歳移住計画でEB-5を検討した実体験

海外金融機関時代に見てきたEB-5案件のリアル

私がEB-5に初めて真剣に向き合ったのは、海外金融機関で営業をしていた時期です。当時、私の顧客には日本国内で事業を持ちながら、セカンドパスポートや永住権取得を検討している方が複数いました。その中で実際にEB-5を選んだ方の案件に関わる機会があり、申請プロセスの複雑さを間近で学びました。

特に印象的だったのは、リージョナルセンター経由での申請を選んだあるケースです。プロジェクトの資料は美しく整理されていましたが、実際の雇用創出の根拠となる経済分析モデルについて、私が詳しく確認すると担当者が答えに詰まる場面がありました。投資家側の視点でプロジェクトを精査する人間がいなければ、書類の見た目で判断してしまうリスクは非常に高いと感じました。

その経験が、自分自身の35歳での移住計画を検討する際に活きています。フィリピンとハワイで実物不動産を保有してきた私の経験から言えば、海外不動産への投資とEB-5への投資では、流動性と元本保全の考え方が根本的に異なります。この違いを理解せずに80万ドルを投じるのは、あまりにリスクが高すぎます。

宅建士・AFP視点でEB-5プロジェクトを精査した方法

私は宅地建物取引士として不動産の権利関係や担保評価に慣れています。この視点をEB-5のプロジェクト精査に応用した時、見えてくるポイントが変わりました。

具体的には、EB-5プロジェクトの多くは商業用不動産開発を基盤としています。私が確認するのはまず担保構造です。投資家の資金がローンとしてプロジェクトに入る場合、優先順位はどこか、担保として設定された不動産の評価は適正かを見ます。次にAFP資格で培ったキャッシュフロー分析の手法で、プロジェクトの収益性を独立した立場から検証します。

移民弁護士はビザ取得の専門家であり、投資リスクの評価は本来その守備範囲ではありません。だからこそ、投資判断の部分は自分自身またはFPなどの資産管理の専門家が担うべきです。税務面については、アメリカへの移住に伴う日米間の税務処理は非常に複雑であり、必ず日米双方に精通した税理士に相談することを強くお勧めします。私自身も税務判断については専門の税理士に確認を取るようにしています。

投資額80万ドルの内訳とTEA地域の選定基準

80万ドルの資金構造を分解して理解する

2022年のEB-5改革法(EB-5 Reform and Integrity Act)施行以降、標準投資額は105万ドル、TEA(ターゲット雇用地区)指定エリアへの投資は80万ドルとなっています。多くの日本人投資家がTEA案件を選ぶのは、投資額の差額25万ドルが大きいからです。しかし80万ドルという数字だけを見ていると、本当のコスト構造を見誤ります。

実際の総費用を試算すると、80万ドルの投資元本に加え、移民弁護士費用が通常1万5000〜3万ドル程度、申請手数料(I-526E)が約3,000ドル超、さらにI-829申請費用等が加わります。日本円換算では為替水準によって大きく変動しますが、現在のドル円水準(145〜155円台)で計算すると元本だけで1億2000万円前後になります。

私がフィリピンやハワイで不動産を取得した時の経験と比較すると、EB-5の特徴は元本の流動性がほぼゼロに近いことです。一般的にグリーンカード発行まで5〜8年程度かかるケースもあり、その間資金は固定されます。これを資産管理の観点から受け入れられるかどうかが、EB-5選び方の根本的な前提条件になります。

TEA指定の判断基準と地域選定で見るべきポイント

TEA(ターゲット雇用地区)とは、農村地域または失業率が全国平均の150%以上の地域を指します。2022年の改革後、TEAの指定権限は各州から連邦政府(USCIS)に移管され、指定要件がより厳格化されました。

TEA指定の確認方法は2つあります。第一に、リージョナルセンターが提出しているI-956H(旧I-924)申請書類でTEA認定の根拠を確認すること。第二に、プロジェクト所在地の国勢調査データと失業率統計を自分で照合することです。私は不動産関連の調査では現地データを自分で確認する習慣がありますが、EB-5でも同様のアプローチが有効です。

地域選定においてもう一つ重視すべきは、プロジェクトが実際に完成する可能性です。TEA指定エリアの中でも、大都市圏に隣接する開発地は実際の建設進捗が担保されやすい傾向があります。地方の農村地域は投資額こそ抑えられますが、プロジェクトの開発リスクが相対的に高くなるケースもあります。カナダ移住とは実体験|35歳目標で調べた7つの基本要点

雇用創出要件と失敗回避の3つの注意点

雇用10人要件を達成するリージョナルセンターの見極め方

EB-5ビザで永住権を取得するためには、申請者が投資したプロジェクトを通じて10名以上のアメリカ市民または永住権保持者の雇用が創出されることが必要です。リージョナルセンター経由の場合、直接雇用に加えて間接雇用・誘発雇用も計上できるため、直接投資よりも要件達成の見通しが立てやすいとされています。

しかし、ここで注意が必要なのは雇用算定に使われる経済分析モデルの信頼性です。多くのリージョナルセンターはIMPLAN等の入出力分析モデルを使って雇用数を推計しますが、このモデルは前提置きによって数字が大きく変わります。私が見てきた案件の中には、楽観的な前提を積み重ねた結果、実際の事業規模に対して過大な雇用数を計上しているものもありました。

選び方として実践的なのは、同じリージョナルセンターが過去に完了させたプロジェクトの実績雇用数と予測雇用数を比較することです。USCIS承認を受けたプロジェクトの実績は公開情報から一部確認できます。完了実績のないリージョナルセンターへの投資は、雇用創出リスクが相対的に高まります。

失敗回避のための3つの注意点

私が35歳移住計画の検討過程でEB-5案件を精査した際、「これをやっていたら失敗していた」と感じるポイントが3つあります。

第一は、リージョナルセンターの承認状態を確認せずに進めることです。2022年改革後、USCISはリージョナルセンターの再申請(I-956)を義務付けました。未承認または承認が保留中のリージョナルセンターへの投資は、ビザ申請プロセスそのものが停止するリスクがあります。申請前に必ずUSCISの承認済みリージョナルセンターリストで確認してください。

第二は、投資回収のタイムラインを甘く見ることです。一般的に投資元本の返還はグリーンカード取得後(I-829承認後)になるため、最短でも5〜6年、長ければ10年以上かかるケースがあります。この期間、元本は完全にロックされます。カナダ移住比較実体験|35歳目標で調べた7つの判断軸と費用差

第三は、日本側の税務・資産管理を後回しにすることです。アメリカの永住権を取得すると、全世界所得課税義務が生じます。日本国内の資産・事業所得についても申告義務が発生するため、事前に日本の税理士およびアメリカのCPAと連携した税務計画を立てることが不可欠です。この部分の判断は税理士に相談することを前提としてください。個別の税務状況によって対応が大きく異なります。

EB-5選び方まとめ|移住前に確認すべき最終チェックリスト

7つの投資判断軸を整理する

  • ① 投資額80万ドル(TEA案件)の総コストを元本以外の費用込みで試算する
  • ② TEA指定の根拠資料をUSCISデータで自分で確認する
  • ③ リージョナルセンターのI-956承認状態をUSCIS公開リストで確認する
  • ④ 雇用10人要件の経済分析モデルの前提条件を確認し、過去案件の実績と比較する
  • ⑤ 投資回収タイムラインと自身の資産流動性計画が整合しているか確認する
  • ⑥ 移民弁護士と投資審査アドバイザーの役割を明確に分けて依頼する
  • ⑦ 永住権取得後の全世界課税義務について、日米双方の税理士に事前相談する

EB-5投資移住を本気で検討するなら、まず情報収集から

EB-5の選び方は、「どのリージョナルセンターが評判良いか」を調べるだけでは不十分です。投資家ビザとしての本質は、80万ドルという大きな資金を長期にわたってロックするという意思決定です。アメリカ移住という人生の選択に見合った判断軸を持つことが、失敗を避ける唯一の方法だと私は考えます。

私自身、フィリピンとハワイで不動産投資を実行してきた経験から言えば、海外投資は現地情報と専門家ネットワークが成否を分けます。EB-5も同様です。移民弁護士、投資アドバイザー、税理士という3つの専門家を揃えた上で意思決定することを強くお勧めします。

まず情報収集の一歩として、アメリカ移住・投資移住に関する専門サービスの活用も有効な選択肢です。具体的な案件情報や相談窓口を確認したい方は、以下からご覧ください。

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筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、海外金融機関での営業に従事。個人事業主・富裕層・経営者の保険×資産管理相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、フィリピン・ハワイに実物不動産を保有。海外口座開設・現地不動産購入の実体験をもとに、移住先選び・ビザ取得のリアルを解説。税務判断については各専門家への相談を前提とした情報提供を行っている。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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