「移住ビザの相場って、結局いくらかかるの?」——私がフィリピンとハワイの不動産を取得し、東京で法人を経営しながら35歳移住を本気で検討し始めた時、この問いに答えられるデータがほとんど見つかりませんでした。AFP・宅地建物取引士の視点で7カ国のビザ費用と預託金を実調査し、2026年版として一覧化しました。これから海外移住を考えている方の”費用の地図”として活用してください。
移住ビザの相場を調べた背景と私の失敗
なぜ35歳というタイミングにこだわったのか
私がビザ費用を本格調査したのは、フィリピンのコンドミニアムを取得した翌年のことです。不動産を持っているからといって、長期滞在が自動的に認められるわけではありません。現地の法令上、不動産保有と在留資格は別の話で、これを最初に理解していなかったことが最初の失敗でした。
35歳という年齢は、一般的な定年退職型ビザ(リタイアメントビザ)の対象外になる場合が多く、むしろ「投資ビザ」「デジタルノマドビザ」「起業家ビザ」など就労・投資系の選択肢を検討しなければなりません。東京の法人を維持しながら海外に生活拠点を移すには、ビザの種類と税務上の居住地問題を同時に整理する必要があります。税務居住に関する最終判断は必ず税理士と所轄税務署へ確認することをお勧めします。
ビザ費用の「相場」が見えにくい理由
移住ビザの相場が分かりにくい理由は、費用の構造が複雑だからです。申請手数料だけを掲載している情報は多いのですが、実際にかかるのは「申請手数料+預託金(デポジット)+年間維持費+仲介業者費用+現地の書類作成費用」の合計です。
私がフィリピンで不動産購入を経験した際、現地パートナーから「ビザ申請だけで別途費用がかかる」と言われた時に初めてこの構造を理解しました。申請書類1枚の翻訳・公証費用だけで数万円単位になる国もあります。以下の比較では、初年度に実際に動く金額の目安を軸に整理しています。
アジア圏4カ国のビザ費用相場を実調査で比較
タイ・マレーシア・フィリピン・インドネシアの費用構造
アジア圏は移住ビザの選択肢が豊富で、費用帯も幅広いのが特徴です。私が実際に現地を視察し、複数の不動産エージェント・移住支援業者から取得した情報を元に整理しました。
- タイ(LTRビザ/タイランドエリートビザ):タイランドエリートは入会金が約50万〜300万円(プランにより異なる)で5〜20年の長期滞在権が得られます。2022年から始まったLTR(Long-Term Resident)ビザは申請料約3万円程度と安価ですが、年収基準や投資要件(タイ国債等へ約280万円相当)が設けられています。年間維持費は別途発生します。
- マレーシア(MM2Hビザ):2021年の制度改定後、預託金が大幅に引き上げられました。2026年時点では半島部で約1,200万円相当の預託金が必要で、月収証明の基準も厳格化されています。初年度総額は預託金込みで1,500万円前後になるケースがあります。35歳での申請は比較的通りやすい年齢層ですが、財産証明の準備に数ヶ月かかります。
- フィリピン(SRRVビザ):私が不動産を保有するフィリピンのリタイアメントビザ(SRRV)は、原則として35歳以上が対象です。預託金は健康保険加入の有無などで異なり、約200万〜600万円程度。申請手数料・年会費は数万円単位で、アジア圏では取り組みやすい水準です。
- インドネシア(第二の家ビザ):2022年に新設された「Second Home Visa」は5年または10年の長期滞在が可能で、預託金は約260万〜1,300万円程度とされています。ただし制度の運用状況が変わりやすく、申請直前の最新情報確認が不可欠です。
アジア圏の共通点は「預託金制度」の存在です。これは返還が保証されているものが多いものの、運用はできず、実質的な機会コストが発生します。AFP的な視点で言えば、預託金を「凍結資産」として計算に入れた上で総コストを比較することが重要です。
ビザ申請に付随する「見えないコスト」の実態
アジア圏のビザ申請で見落とされがちなのが、書類整備コストです。日本の公的書類(戸籍・住民票・残高証明など)はアポスティーユ認証や現地語翻訳が必要になります。私がフィリピン関連の書類を準備した際には、翻訳・公証・アポスティーユ取得だけで8万〜15万円程度かかりました。
また、移住支援業者への仲介費用も相場感を把握しておく必要があります。日本語対応のビザ申請代行業者の費用は国によって異なりますが、10万〜40万円が一般的な目安です。ビザ申請代行は行政書士業務に該当する部分もあるため、資格を持つ業者に依頼することを推奨します。アジア格安リタイアビザ徹底比較|実体験から導く結論
欧州2カ国のビザ費用相場|投資型ビザの総額を把握する
ポルトガルとスペインの投資型ビザ比較
欧州の移住ビザは、アジアと比べて制度の透明性が高い反面、求められる投資金額や収入基準が一段上になります。私は視察でポルトガルを訪問し、現地の不動産市場と移住ビザの関連性をリサーチしました。
ポルトガルの「ゴールデンビザ」は、2024年に不動産投資ルートが廃止されました。2026年時点では、ファンド出資(約60万ユーロ≒約9,600万円)や新規雇用創出、科学・文化投資などが主な申請ルートです。申請手数料は約60万〜80万円(処理費込み)、弁護士費用は30万〜80万円が相場とされています。5年後にEU永住権・市民権への道が開けるため、長期的なコスト効率の観点では評価が高い選択肢です。
スペインの「非営利活動ビザ(Non-Lucrative Visa)」は、投資不要で月収証明(約2,400ユーロ以上が目安)と健康保険加入で申請できます。初年度の申請費用は比較的安価(数万円単位)ですが、毎年更新が必要で、現地での生活費水準もポルトガルより高めです。
欧州ビザの税務上の注意点と専門家への相談の重要性
欧州のビザを取得して現地に183日以上滞在すると、現地での税務居住者とみなされる可能性があります。日本の法人を維持しながら欧州に居住する場合、日本とポルトガル・スペインの租税条約の適用関係が複雑になります。
私自身、東京の法人を経営しながらフィリピンやハワイの不動産収益をどのように申告するかについて、顧問税理士と複数回打ち合わせをしています。「どこの国の税務居住者として申告するか」という判断は個別の事情により異なり、必ず税理士への相談が前提となります。この点は自己判断せず、国際税務に精通した税理士に依頼することを強く推奨します。ジョージア移住起業ビザ実体験|私が35歳目標で調べた6つの要点
北米圏ビザの費用総額と35歳での現実的な選択肢
アメリカ・カナダのビザ費用と現実的なハードル
私がハワイに不動産を保有していることから、アメリカのビザ事情は特に詳しく調査しました。アメリカには日本人向けの「移住ビザ」として代表的なものにEB-5(投資家移民ビザ)があります。2026年時点の最低投資額は、ターゲット雇用地区(TEA)で80万ドル(約1億2,000万円)、それ以外では105万ドル(約1億6,000万円)が基準です。申請手数料だけでも数百万円規模になり、弁護士費用・代理費用を含めると初年度に2,000万〜3,000万円以上動くのが現実です。
不動産保有はビザとは別の話で、私のようにハワイに物件を持っていても、長期滞在ビザがなければ観光ビザ(最長90日)の枠内での滞在しかできません。35歳での北米移住を検討するなら、カナダのスタートアップビザや州ノミニープログラム(PNP)が現実的な入口になります。カナダのPNPは職種・経歴要件が複雑で、申請費用は政府手数料だけで15万〜30万円、代行費用込みで50万〜100万円程度が目安です。
北米移住の総額試算と私が出した暫定結論
北米はビザ取得そのものの費用よりも、「ビザ取得後の生活コスト」が圧倒的に高いことを忘れてはいけません。ハワイの物件を保有していても、現地での固定資産税・管理費・保険料の合計は年間100万円を超えることがあります。私が実際に毎年支払っている維持費を踏まえると、北米移住は「ビザ取得費用」だけでなく「在住コスト」の試算が先に必要です。
AFPとして家計・資産設計の観点から整理すると、北米移住は「富裕層向け」の位置づけが現実に近く、35歳での移住先として検討するなら、まずアジア圏・欧州で足場を固め、北米は不動産投資拠点として位置づける戦略が合理的です。ただし、これは私個人の資産状況を前提とした考え方であり、個別の事情により最適解は異なります。
7カ国費用比較のまとめと移住ビザ相場の活用法
7カ国の費用相場一覧と選択のポイント
- タイ(LTRビザ):申請費用約3万円+投資要件(約280万円〜)/タイランドエリートは入会金50万〜300万円
- マレーシア(MM2H):預託金約1,200万円+申請・諸費用で初年度総額1,500万円前後
- フィリピン(SRRV):預託金約200万〜600万円+申請手数料数万円。35歳から申請可能
- インドネシア(第二の家ビザ):預託金約260万〜1,300万円(プランにより異なる)
- ポルトガル(ゴールデンビザ):ファンド出資約9,600万円+弁護士・申請費用100万〜160万円
- スペイン(非営利活動ビザ):投資不要、申請費用数万円+月収証明・保険加入が必要
- カナダ(PNP等):政府手数料15万〜30万円+代行費用込みで50万〜100万円(職歴・言語要件あり)
この費用一覧はあくまで2026年時点の目安です。制度は頻繁に改定されるため、申請前に必ず現地大使館・公式機関・専門の行政書士または移住支援業者で最新情報を確認してください。
次のステップ:情報収集から専門家相談へ
移住ビザの相場を把握したら、次は自分のライフプランと照らし合わせた絞り込みが必要です。私が35歳移住を本格検討する中で学んだのは、「ビザ費用だけで選ばない」という原則です。現地の医療水準・日本語教育環境・税務居住の影響・法人維持コストを含めた総合設計が、移住の成否を分けます。
特に、法人を持ちながら海外へ生活拠点を移す場合は、税理士・行政書士・現地弁護士の三者が関わるケースが多く、専門家費用も事前に予算化しておく必要があります。私自身の顧問税理士との打ち合わせでは、移住先国の選定段階から「税務居住の切り替えタイミング」を議題に入れています。個別の事情により最終判断は異なるため、早めに専門家へ相談することを推奨します。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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